アン=ソフィー・ピックと三國清三による 初めての「味覚の授業」
2010年10月18日(月)、目黒区立東根小学校(東京都目黒区東が丘 1-20-1)で「味覚の授業」が行われました。 フランスでは本年10月11日(月)より17日(日)まで実施された「味覚の一週間」は、 日本でも日仏2人のシェフによる「味覚の授業」で幕を開けました。2010年、日本での「味覚の授業」のために特別に来日したのは、親子三代連続で三つ星を獲得したアン=ソフィー・ピック シェフ。初めて日本の小学生(4年生)にフランスでの「味覚の授業」と同じ体験をさせた感想を聞いた。「子供達への味への興味や感覚、反応はフランスの子供たちと一緒でした。味覚がいかに楽しみや喜びをもたらすか、フランスの子供たち同様、日本の子供たちにも今日は感じてもらえたのではないかと思います。」
「味覚の授業」とは 1990年、ジャーナリストで料理評論家のジャン=リュック・プティルノー氏がパリのシェフたちと一緒に、子供たちにフランスの食文化をきちんと伝えようと始めた活動です。「味覚の授業」は、味には「しょっぱい(塩味)」「酸っぱい(酸味)」「にがい(苦味)」「甘い(甘味)」という 4つの要素があることを子供たちに理解させ、日常食べている食事はこれらの味の組み合わせであり、子供たちが好む「甘い」と苦手な「にがい」は同じく味の一つであるということを説明するものです。 五感を使って基本となる4つの味覚を学ぶ「味覚の授業」を受けることにより、子供たちは味の違いを話すことができ、また伝えることができるようになります。そして、味蕾が発達段階にある子供たちの「味わう」という感性を目覚めさせることで、子供たちは「食」という文化の継承者となると共に、良質の作物を作る助けともなります。45分間の「味覚の授業」を終えた子供たちは、「甘いだけではなくて、チョコレートの甘さの中に、ちょっと苦味を感じながら食べるのは初めてです」や「今までは、よく噛んで味わって食べたことがなかったけれど、今度からは給食もよく味わって食べたいと思いました」など、思い思いの表現で授業の感想を語ってくれました。
美食の国フランスで20年以上続く、国民的な食のイベント
「味覚の一週間」 記者会見
フランスで毎年10月の第3週に企画、実施され、2009年に20周年を迎えた食のイベント「味覚の一週間」の日本での開催を発表する記者会見が2010年10月19日(火)、財団法人日本記者クラブにおいて実施されました。
記者会見には、呼びかけ人として、日仏メディア交流協会会長の磯村尚徳氏、日本における「食育」の先駆者である服部幸應氏、「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフである三國清三氏、日本味覚教育協会会長であり10年前から「味覚の授業」の重要性に着目し、率先した授業を実施してきた内坂芳美氏の4氏と日本事務局長の瀬古篤子が、また、フランスからは「ラ・メゾン・ピック」のオーナーシェフで、日本における「味覚の一週間」開催のゲストシェフとして招かれたアン=ソフィー・ピック シェフ、「味覚の一週間」フランス事務局ディレクターのシリル・シュヴァルツ氏が出席。日本での「味覚の一週間」開催にかける意気込みやフランスにおける「味覚の一週間」の活動概要、今後の展開などについて語りました。
呼びかけ人の代表を務める磯村氏はフランスで肌で感じた「味覚の一週間」の盛り上がりを紹介し、服部氏は「日本の食育の大きな一歩になる」と展望を語りました。また、三國シェフは記者会見に先立って行われた目黒区立東根小学校での「味覚の授業」を振り返ると共に、「味覚の一週間」を通じて、次の世代を担う若手シェフも喚起していきたい」との抱負を語りました。
三國氏と共に東根小学校で「味覚の授業」を行ったアン=ソフィー・ピック シェフは「味覚を習得する上で、その土地ならではの食材や食文化を理解することは大切。文化は伝承していかなくてはなりません」と、日本独自の「味覚の一週間」の展開とその中心的な活動である「味覚の授業」の実施に期待感を示しました。日本における「味覚の一週間」は、2011年度より本格的に開催され、フランスでの「味覚の一週間」に続いて10月の第4週目に開催される予定です。
女性三つ星シェフから日本の子供たちへアン=ソフィー・ピックによる「味覚の授業」
2010年10月19日(火)、学校法人 服部栄養専門学校でアン=ソフィー・ピック シェフによる「味覚の授業」 を実施。この「味覚の授業」では、通常小学校で行われているプログラムに加え、アン=ソフィー・ピック シェフが 子供たちと一緒に調理を行い、食べる喜びを共有しました。
アン=ソフィー・ピック シェフならではの「味覚の授業」 「しょっぱい(塩味)」「酸っぱい(酸味)」「にがい(苦味)」「甘い(甘味)」の4つの味を子供たちに味わってもらうため、アン=ソフィー・ピック シェフが特別に用意したのは、“ビーズ・フローイング(一口大のボール状のゼリー)”。 チーズ(「しょっぱい(塩味)」)、パッションフルーツ(「酸っぱい(酸味)」)、チョコレート(「にがい(苦味)」)、洋ナシ (「甘い(甘味)」)で味がつけられた“ビーズ・フローイング”を一つずつ順番に口に運び、じっくりと4つの味覚を味わいました。
「どのような味がしますか?」というアン=ソフィー・ピック シェフの問いに対し、子供たちはこれまで食べたことのある味の記憶を探り、味の元となった食材を積極的に発言。
「しょっぱい」「すっぱい」「にがい」「あまい」など味覚で感じた感想を素直に発言し、基本となる4つの味覚を学びました。子供たちの味覚を磨く“食感”の授業 「食感も味覚を学ぶ上ではとても大切」と語るアン=ソフィー・ピック シェフが、子供たちに用意したのは、バニラとピーナッツの2種類の味のギモーブ(マシュマロ)。
バニラ味のギモーブを食べた子供たちは、初めての滑らかな舌触りに驚きながら「甘くて、美味しい」と笑みをこぼし、また、ピーナッツ味のギモーブを口にした際には、ギモーブの柔らかい食感を楽しみながら、学んだ4つの味覚に加えて「あまじょっぱい」 「香ばしい」など、口いっぱいに広がる風味を自由に表現し発言しました。
食の楽しみを深める料理教室 「しょっぱい(塩味)」「酸っぱい(酸味)」「にがい(苦味)」「甘い(甘味)」という4つの味の基本を学び、“食感”を通じてその理解を深めた子供たちは、授業の最後はアン=ソフィー・ピック シェフと一緒にメレンゲとマカロンを作り、試食しました。アン=ソフィー・ピック シェフがマカロンの食感と味について子供たちに質問をすると、「今度はさくっとする」とギモーブで体験した食感と比較した感想や、マカロンの皮と中に入れたクリームとの食感の違いについて感想を発言。 また、「ギモーブとは違う甘い味がした」と、「あまい」という一つの味覚のなかにも様々な味わいがあることを感じ取り、表現した子供もいました。
- アン=ソフィー・ピック シェフ プロフィール
- 「味覚の授業」の最後に、アン=ソフィー・ピック シェフは「子供たちは、食材や味覚によく反応していました。今回は、あまり食べ慣れていないフランスの食材を使って「味覚の授業」をしましたが、これからは日本独自の食材や料理で味覚を磨いていってほしい」と感想を語りました。 南フランス ヴァランスにあるレストラン「メゾン・ピック」のオーナーシェフ。 祖父の代から続く歴史あるレストランを引き継ぎ、2007年版ミシュランで三つ星を獲得し、親子三代連続の三ツ星シェフという栄冠を勝ち取った。 今年10月、「味覚の一週間」のゲストシェフとして来日。
掲載メディア一覧
新聞
2010年11月16日 | 交通新聞 |
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2010年11月26日 | 静岡新聞 |
2010年11月27日 | 愛媛新聞 |
2010年11月29日 | 下野新聞 |
2010年11月30日 | 埼玉新聞 |
2010年12月1日 | 四国新聞 |
2010年12月3日 | 岐阜新聞 |
2010年12月6日 | 岩手日報 |
2010年12月8日 | 新潟日報 |
2010年12月10日 | 日本海新聞 |
2010年12月27日 | 日本経済新聞 |
雑誌
2010年11月6日 | 料理通信(12月号) |
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2010年11月7日 | グルメジャーナル(12月号) |
2010年12月1日 | ELLE a table |
2010年12月18日 | クロワッサンPremium(2月号) |
WEB
2010年10月6日 | フランス大使館ホームページ |
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2010年10月20日 | パティスガストロノミー ニュース |
2010年10月21日 | パティスガストロノミー ニュース |
2010年10月26日 | madame FIGARO.jp |
2010年10月26日 | Alterna |
2010年10月27日 | Yahoo! News |
2010年11月1日 | Rue89 Japon |
2010年12月9日 | ECOZZERIAホームページ |
テレビ
2011年12月5日 | テレビ東京「ソロモン流」 |
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2011年8月10日 | NHK教育「テレビでフランス語」 |
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