活動レポート 2025年度

味覚の授業

「味覚の授業」は料理人、パティシエ、生産者らがボランティアで、全国の小学校の3年生から6年生を対象に、味の基本となる4味(「塩味」「酸味」「苦味」「甘味」に加え、第5の味覚である「うまみ」について教え、味覚を意識させ、食の楽しみを学ばせます。

2025年度実績

●実施校数 292校
●実施クラス 641クラス
●受講児童数 17,297名
●参加講師数 209名

2025年度テーマ : 食の伝承

膨大な情報、価値観の多様化、自然環境の変貌、少子化。動き続ける世の中で、人の暮らしは変わっていきます。時代や世代の移り変わりは新たなもの生み出す一方で、意図せず消えていくもの、失われるものもあります。
“食”は常に人に付き、土地に根付いて発展してきました。私たちの日々の食は、どのようにしてここにあり、これからどのように伝えていくのか。子どもから大人まで、また消費者、生産者の別なく、それぞれが現代を生きる人として、食の過去と未来を思い、真の豊かさを考える機会となることを活動の目的としました。

2025年「味覚の授業より」

軽井沢町立軽井沢東部小学校
福田順彦氏(セルリアンタワー東急ホテル)

軽井沢からは初めての参加校とあって、地元の取材も多く、活気あるひとときに。小人数のクラスは和気藹々、長野県には所縁のある東急から、名誉総料理長が講師に出向きました。

柳原尚之氏(江戸近茶流)@暁星小学校

母校でずっと参加を続け、今や5年生の伝統的行事となっている柳原氏の授業。和食の精神と理論を、現代の子どもの食生活にも寄り添いながら伝えます。試食品は5味と五感をすべて使って味わう「田作り」でした。

三國清三氏(三國)@新宿区立四谷小学校

豊富なキャリアに基づく、ダイナミックでユーモラスな語り口で子どもたちを惹き込む、三國シェフの授業。
基本の味の確認は、レモンやチョコレートのタルトレットで。

千代田区立麹町小学校
太田高広氏(ホテルニューオータニ)

5味五感を丁寧に解説する太田シェフ。さらに味蕾についてもレクチャーし、ヒトやさまざまな動物の味蕾の数をクイズにして、教室は盛り上がります。試食のカヌレに味と香りと食感を確かめながら、大事に味見。

植木将仁氏(アズール エ マサ ウエキ)

マッシュルームのコンソメで”うまみ”を感じ、試食の白身魚のムースに味と香りと食感の連携を発見しました。

堀口美恵子氏(大妻女子大学)、中塚直人氏(ヌー.トウキョウ)

有機野菜をテーマにした授業。中塚シェフによる野菜と和の出汁のコンソメに子どもたちは素材の持つ味わいを発見しました。形や言葉になりにくい “うまみ” が確かに伝わりました。

聖心女子学院初等部
後藤裕一氏(Equal)

牛乳からバターができるまでを説明、できたてのバターの味見もありました。工程の中で廃棄となる乳清を使ってシェフが開発したお菓子の話から、フードロス、リサイクルを学んだ生徒たち。

シェフお手製のジャムを5味の教材に。ワインビネガーや洋梨など大人っぽい風味に基本の味を探します。実習はスコーン。焼き上がりに5種のジャムをつけて試食しました。

藤野真紀子氏(料理研究家)

5味の希釈水で、基本の味を学ぶ藤野氏の授業。

実習をで教わるのは、本物のバニラビーンズが入ったシフォンケーキです。甘い香りとふわふわでお店のような仕上がりに、うれしさもひとしお。

佐藤月彦氏(服部栄養専門学校)

プロを育てる料理学校の先生が講師となり、アスパラガスのお料理を伝授。米粉のベシャメルソースに鶏の出汁を合わせ、モダンで本格的なフランス料理の一皿ができました。

牧村耕平氏(ルクサージュ)@学芸大学附属特別支援学校

5味の味見の授業のあとの実習は、彩り豊かな茹で野菜を生徒めいめいが盛りつけるサラダ。ソースも2種用意され、思い思いのお皿を描きました。デザートのフルーツポンチは校庭に移って、シェフのキッチンカーからふるまわれ、子どもたちは大喜び。

永田宏氏(レザルデ)@中央区立月島第一小学校

お店の近隣にある小学校で毎年授業を行う永田シェフ。少しむずかしい味の話も3年生向けの表現で伝えます。
カラメリゼしたミニトマトにゴマをまぶして、5味五感をすべて含んだ試食品。

木嶋隆文氏(TERAKOYA)
@東京学芸大学附属小金井小学校

エネルギッシュに “味”とは何かを伝える木嶋シェフ。生徒たちも応えるように活発な発言で参加しました。試食はバター香るサブレ

山崎真隆氏(ラパージュ)
@小平市立小平第十三小学校

地元の同じ学校で授業を続けている山崎シェフ。座学につづく調理実習で、知識と体感を同時に与えます。

横浜市を中心とする神奈川県では、料理人に限らず食育指導者、生産者など多岐にわたる食のプロが講師となって授業が行われています。

斉藤良治氏
(野菜レストランさいとう)
@横浜市立茅ヶ崎小学校

中澤太地氏
(箱根ホテル)
@恵明学園

阿部兼二氏
(ビストロコンフル)
@横浜市立新石川小学校

石田いくり氏
@横浜市立新田小学校

難波秀行氏(ペタルドゥサクラ)
@横浜市立新橋小学校

二宮圭子氏(二宮農園)
@横浜市立不動丸小学校

入江誠氏(ステラーワークス)@横浜市立山内小学校

フランスで発祥した「味覚の一週間」®。来日したフランス農業・食料主権省幹部の方々にも視察いただきました。
@江戸川区立臨海小学校

授業参観のあとは、この日の給食を試食、日本の食育現場への理解をいただきました。フランス語をまじえた子どもたちからの手紙には、後日フランス大使館を通じてお返事が届きました。

上記臨海小をはじめ、ベテランシェフのアソシエーション「八重洲会」からは、毎年全国各方面での授業にご協力いただいています。

八重洲会参加メンバーの方々:
飯塚喜隆(西武プリンスホテルズワールドワイド総料理長)
市川博史(京王プラザホテル 名誉総料理長)
岸義明(グランシェフ)
斉藤哲二(東京會舘 取締役調理本部長)
齋藤雅巳(元・綱町三井倶楽部 取締役調理部長)
杉田浩一(椿山荘 洋食調理グループ調理長)
千葉裕之(元・山の上ホテル)
松山昌樹(ロイヤルパークホテル シニアアドバイザー)
村田眞吾(ホテル椿山荘東京)
森田信夫(東京會舘 シニアアドバイザー)
*敬称略・五十音順

中冨貴仁氏(聖橋亭)
@久喜市立久喜東小学校

土曜の保護者参観となった中冨シェフの授業は、ユーモラスに5味と五感を伝え、子どもたちも常に笑顔。最後は古代米のぜんざいを味見しました。

中嶋貞治氏(新宿割烹中嶋)
@練馬区立大泉北小学校

和食の基本である“だし”、日本料理に見る“うまみ”など、ベテラン料理人ならではの本質的な話が伝授されました。

須羽恒之氏(クレアテルナ)
@港区立高輪台小学校

初の参加となった須羽シェフ。

掛川哲司氏(Varmen)
@大田区立田園調布小学校

掛川シェフも初参加。味見はマカロンで。

島田進氏・徹氏(パティシエ・シマ)
@千代田区立富士見小学校

砂糖やチョコレートなどお菓子の素材をテーマとする島田シェフの授業。本物のサトウキビやカカオポッドも回覧され、子どもたちの関心の的に。

堀江純一郎氏(イ・ルンガ)
@大田区立田園調布小学校

5味に「辛み」も足した6種のサブレを用意した堀江シェフ。プレーンな生地に昆布パウダーやレモン果汁が潜み、子どもたちは集中して味を探し当てました。

菊地賢一氏(レザネフォール)
@渋谷区立長谷戸小学校

子どもたちの人気職業、パティシエの菊地シェフは、お菓子の例をひきながら授業を進めます。大好きなケーキの話に身を乗り出す生徒たち。

宮本雅彦氏(トレフミヤモト)
@港区立高輪台小学校

狩猟免許を持つ宮本シェフは、ジビエをテーマに。環境の変化に左右される生き物と食との関係を話しました。

東海3県では、今年も輝かしい経歴を持つ多くのシェフが講師となってくださいました。

牧島昭成氏(チェザリ)
@名古屋市立船方小学校

冨田大介氏(パティスリー カルチェ・ラタン)@名古屋市立玉川小学校

大鹿裕司氏(全日本司厨士協会東海支部)@東郷町立諸輪小学校

松本茂雄氏(ANAクラウンホテル グランコート名古屋)
@名古屋市立西福田小学校

玉井 邦弘氏(名古屋東急ホテル )
@名古屋市立千年小学校

鈴木雅彦氏(エスパシオエンタープライズ)@名古屋市立西福田小

ティファールのお鍋で実習を行った学校もありました。

上田まり子氏 (FOOD MARICO)
@雲南市立加茂小学校

お鍋ひとつでできる、5味を入れたタルトタタンを考案した上田氏。

金井美和氏 (旬菜ダイニングばんび)
@安曇野市豊科北小学校

5味の授業のあとで、地元・安曇野の産物をふんだんに使った味噌汁をつくりました。

唐渡泰氏(リュミエール)
@大阪市立高松小学校

特支学級で、“野菜の遊園地”と題した冷製野菜の盛りつけを実習しました。色とりどりの野菜とドレッシングやソースを駆使した、クリエイティブな体験でした。

林啓一郎氏(フォションホテル京都)
@京都市立伏見板橋小学校

5味の授業あとには、アレルギー食材除去のお菓子を用意し、クラス全員で同じおいしさを分かち合う楽しさを伝えた林シェフ。

宮崎県では、食のプロと県が一体となって授業が行われています。

杉本和英氏(杉本商店)
@五ヶ瀬町立上組小学校

安藤勝商氏(明月堂)
@日南市立南郷小学校

黒木慎吾氏(原木しいたけ茸蔵)
@日南市立榎原小学校

各講師の志によって震災にあっても業が継続している石川県。

牧野浩和氏(MAKINONCHI)
@金沢市立小立野小学校

美沙子&パスカル・ルロワ氏(カフェマダムルロワ)
@かほく市立高松小学校

安曇野市では調理師会と自治体との連携により、組織的に「味覚の授業」が行われています。

吉田信行氏(割烹よしだ)、北林智紀氏(食事処美里)
@安曇野市立堀金小学校

安田尚人氏(安田薬局)@国東市立国東小学校

宮崎から大分に移転して初の授業を行う安田氏。熱心な講師によって授業の輪が広がっていきます。

吉川正裕氏(レゾンス)@福井市立東郷小学校

学校の隣は養鶏場。採れたての卵を使ったマヨネーズづくりを実習しました。
さらにその鶏肉が原料のハムを合わせて。

阿部正幸氏(メトロポリタンホテル仙台)
@宮城教育大学附属小学校

岩塩やカカオマス、白ワインビネガー、カソナードなど、フランスの食材で5味を確かめました。最後は塩キャラメルを味わって。

小池智宏氏(富士屋ホテル)
@箱根の森小学校

スパイスをテーマに授業を進めるシェフ。肉や野菜の具材に数種のスパイスを効かせながらカレーが作られ、薬味も伴って、子どもたちは味や香りの複合を実感しました。

金丸建博氏(宮若颯香亭)
スマイリー氏(料理研究家)@福岡市立住吉小学校

徐々に参加校が増えている福岡。当日はテレビのニュースにもなりました。

島袋司氏(ラトリエ)
@那覇市立石嶺小学校

島袋シェフを中心に有志のシェフが集まる沖縄県。共通の県の産物を5味の授業に使います。

「味覚の授業」® 参加校一覧

2025年「味覚の授業」® 参加校一覧はこちら(PDF)

「味覚のアトリエ」

学校やパートナー企業のご要望に応えて会期中にさまざまなイベントを実施します。
幅広い年齢層の参加者に食の体験を提供する機会です。

2025年12月21日(日)@江戸川区民センター「グリーンパレス」
中高生kitchen特別企画~一流シェフから学ぼう!特別版 味覚のアトリエ~

内容 : 東京都江戸川区在住の中高生に向けた講義、調理実習
講師 : 田中健一郎氏(帝国ホテル 元総料理長) / 山田百香里氏(「たべもの教室 采輪」主宰)

若い世代に関心の高いエコ・クッキングや味覚についての講義の後、家庭で作れるビーフストロガノフと地元発祥の小松菜のサラダを実習しました。

【主催】江戸川区文化共育部健全育成課
【共催】東京ガス株式会社
【協力】「味覚の一週間」 ®実行委員会

2026年10月29日(水)@帝国ホテル 東京
公開対談『今、世界の食は?』

内容 : 食のエキスパートによる未来の食に向けた対談
講師 : 杉本雄氏(帝国ホテル 総料理長) / コウケンテツ氏(料理研究家)

ガストロノミーと家庭料理、それぞれの分野で経験と知識の豊富な2人が、日々、食と向き合う中で感じる問題と未来への提起を大いに語りました。来場の子どもは、杉本シェフによるガナッシュやレモンのタルトを教材に、ショート版「味覚の授業」も体験。

【主催】「味覚の一週間」 ®実行委員会
【共催】東京ガス株式会社
【協力】帝国ホテル 東京

2025年10月15日(水)@東京大学駒場ファカルティハウス
三つ星シェフが語るガストロノミーの未来 ~食と地球を考える~

内容 : 東大生および東大駒場友の会会員に向けた講演およびテイスティングビュッフェ
講師 : 生江史伸氏(レフェルヴェソンス エグゼクティヴシェフ)
<料理ディレクション>伊藤文彰氏(株式会社円居 代表取締役社長|フランス農事功労章協会副会長)

美食最前線で活躍しつつ同大大学院農学生命科学研究科を修了した生江シェフが、事前の学生からの質問に沿って、今後、世界がめざすべきガストロノミーについて語りました。後半ビュッフェでは、伊藤シェフによるサステナブルな食材を取り入れた料理が提供されました。

【主催】東大駒場友の会
【共催】「味覚の一週間」 ®実行委員会
【協力】フランス農事功労章協会

2026年2月14日(土)@徳島県藍住町総合文化ホール
子どもと学ぶ伝統の食育授業

内容 : 味覚の授業およびわかめ工場見学
講師 : ルドヴィック・ボントゥ氏(インターナショナルスクール教師、シェフ)

徳島県産の食材を教材にした「味覚の授業」の後、鳴門市のわかめ工場を訪問。地元の産物の製造工程を知るとともに、フランス人講師より、フランス・ブルターニュ地方でのわかめ養殖の話なども聞きました。

【主催】徳島県
【共催】「味覚の一週間」 ®実行委員会
【協力】うずしお食品

15周年特別企画 発見!わたしの地もと味~子どもONIGIRIコンクール

「味覚の一週間」®15周年特別企画の一環として、今年のテーマ「食の伝承」に因んだ、子ども向けのコンクールを開催しました。それぞれの地元の味、食習慣などを取り上げ、それをモチーフとしたオリジナルのおにぎりレシピを募集。全国より40点の応募の中から、8点が書類審査を通過、決勝ではそれぞれの調査発表と審査員による試食審査が行われました。各レシピに基づいたおにぎりビュッフェも開かれ、お互いの“地もと味”を楽しく味わいました。

発見!わたしの地もと味~子どもONIGIRIコンクール

募集期間 : 2025年8~12月
決勝大会 : 2026年1月24日(土)@セルリアンタワー東急ホテル「クーカーニョ」
応募対象 : 小学3~6年生
募集内容 : 地元の<食材><郷土料理><行事食><保存食><調味料>の中からいずれかひとつを選び、その歴史や背景について調査。選んだ理由や、家族、生産者などに話を聞いたり、資料で調べたりしたことをレポートにまとめる。調査の内容を盛り込んだ、オリジナルのおにぎりレシピを考える。

<主催>
「味覚の一週間」®実行委員会
<助成>
一般財団法人 小森文化科学財団

<協賛>
株式会社徳間書店、小池精米店、グループセブ ジャパン株式会社|T-fal、ナガセヴィータ株式会社、
株式会社アルカン|St Michel、株式会社八木長本店

<協力>
セルリアンタワー 東急ホテル

<審査員>*敬称略・順不同
福田順彦(セルリアンタワー東急ホテル 名誉総料理長)
草地麻巳(食楽web 編集長)
小池理雄(小池精米店 三代目)
今津奈都子(ナガセヴィータ株式会社)
柳原尚之(江戸近茶流宗家)

第1位
市川夏帆さん(東京都)深川のめぐみ太鼓おにぎり
第2位
山内はるひさん、佐々木真歩さん、伊東音華さん(神奈川県)御難おにぎり
第3位
岩崎あんさん(埼玉県)ネギ塩なまず天むす
未来賞 :
石浦貴紗さん(東京都*テーマは福岡県)ちくごハーモにぎり
ふるさと賞 :
阿部大喜さん(神奈川県)相模湾でとれた生シラスのコンフィと三浦大根のまぜご飯おにぎり
ヴィジュアル
賞 :
安藤凜さん(岐阜県)イタリアンさより飯
歴史賞 :
中井茶々さん(島根県)きくらげ味噌の焼きおにぎり、
藤原望稜さん(島根県)真鯛の中世おにぎり
メディア掲載一例 

読売新聞
2025/7/17

茨城新聞 2025/7/11
山梨日日新聞 2025/7/22ほか

大阪・関西万博 フランス館
公式Instagram 2025/7/26

長野朝日放送 abnニュース 2025/11/12

信濃毎日新聞 2025/11/13

軽井沢新聞 2025年12月号

47NEWS 2025/11/13

九州朝日放送 Kbc news 2025/11/26

山陰中央新報デジタル 2025/12/17

中日三重 2025/12/9

学校給食 March 2026

制作物

公式サイト

活動報告冊子

15周年イベント用ショッパー

児童用トック(コック帽)

講師宛て感謝状