活動レポート 2024年度

味覚の授業

「味覚の授業」は料理人、パティシエ、生産者らがボランティアで、全国の小学校の3年生から6年生を対象に、味の基本となる4味(「塩味」「酸味」「苦味」「甘味」に加え、第5の味覚である「うまみ」について教え、味覚を意識させ、食の楽しみを学ばせます。

実施校数 全国30都府県 264校
●実施クラス 606クラス
●受講児童数 16,752名
●参加講師数 210名

2024年度テーマ : 食の安全

「味覚の一週間」®は、さまざまな活動を通して、食べるということの意味や世界との関連について、参加する人たちそれぞれに、考える機会を提供することをめざしています。
誰にとっても身近にある「食」だからこそ、見つめなおすことで発見もあり、真にゆたかな人生をもたらすひとつにもなります。
2025年、「味覚の一週間」®は日本での活動15周年を迎えます。私たちの食は、どのような経路をたどってここにあり、人や社会の動きとともに、どのように未来へとつながっていくのか。「味覚の授業」® 「味覚のアトリエ」が、そのような思いを巡らすきっかけになることを願います。


奥田透氏(銀座小十)@中央区立月島第二小学校

「和服」「和室」「和暦」。“和”のつくものが消えつつある日本の未来のために、食から和の文化や日本の心を取り戻そうと日夜尽力する奥田氏。食材のほかに、特大の鍋と子どもの人数分のお椀を持参、車3台に分乗しての来校です。3クラスを2つに分け、1クラスは別室のオンラインで受講しました。

春夏秋冬で異なる汁椀を準備。その柄や色合い、形もすべて日本の四季に合わせていることを説明。グループの中で全員が別々の椀に当たるように配布されました。漆器の特質、その製法なども語られ、優れた和食文化のひとつとして伝えられました。

学校到着後、すぐにふたつの大鍋に仕掛けられた昆布とかつおのだし。約1時間を経て子どもたちが教室に入ってくる頃には、温かくふくよかな香りが部屋を満たしていました。その香りに圧倒され、大量のかつおぶしに驚きながら、自然と “だし” に惹きつけられる子どもたち。

隣の子のお椀との違いを比べて蓋を取れば、立ち上るだしの香りとうまみ、真丈やシメジの食感、三つ葉の彩りなどが一気に押し寄せる、小さな和の世界に遭遇。一瞬の静寂のあとの「おいしい!」の歓声、五感で味わうことを体感しました。

講義の途中から、食べ頃を計って準備が進められた「海老真丈椀」。

永田宏氏(レザルデ)@中央区立月島第一小学校

地元にお店を構えるシェフが、3年生3クラスを順番に受け持ちました。5味のそれぞれにどんな食べ物があるのか、子どもたちとのにぎやかな会話を通して、ひとつひとつの味を丁寧に説明。
授業の最後には、薄くカラメルをかけ、ゴマをトッピングしたプチトマトを試食、味わいの多彩さを感じさせました。

木嶋隆文氏(TERAKOYA)@学芸大学附属小金井小学校

うまみを味わうのは、シェフ持参のコンソメ。たくさんの食材と時間が費やされていることを聞いて、ゆっくり味わう姿が見られました。最後の試食品はいろいろな味が重ねられたサブレ。

柳原尚之氏(近茶流「柳原料理教室」)@暁星小学校

見ずに嗅がずにものを食べると、どんなふうに感じるのか。生徒代表による実験をまじえて味わうことの不思議さと複雑さ、そして人間は“味わう能力”を持っていることを伝えました。試食品は五感すべてにアピールする「田作り」。

菊地賢一(レザネフォール)、澤村圭介(八芳園)各氏@港区立高輪台小学校

パティシエ2名が講師となって訪れた学校。お菓子の世界が大好きな子どもたちは興味津々の様子でした。パティスリーに使われるさまざまな食材の話も含めての5味の授業となりました。

お菓子=甘い、だけではなく、実はその中に他の味や香り、温度、食感などのたくさんの要素が詰め込まれていることを知った子どもたち。注意深く試食品を味わう姿が見られました。

澤村シェフの試食品は、ほろほろとしたクッキー、ポルボローネ。食感や口どけというパティスリーに大切な味の感覚を確かめました。

ダヴィッド・ブラン(グランドハイアット 東京)、古屋壮一(ルカンケ)、宮本雅彦(トレフミヤモト)、隈元香己(メズム東京)各氏@港区立本村学校

試食の5味を同じ形、同じ食感のゼリーにして、見た目などにとらわれず、“味”だけに集中させる、ブランシェフの授業スタイル。

上中・右:フードロスの問題も講義に取り入れた古屋シェフ。自家製ポテトチップス、赤カブのピクルス、ダークチョコレート、角砂糖、昆布とかつおのだしを5味の確認食材に。最後の試食品は米粉とケールジュースのクレープ。トッピングにはケールやレフォール、アボカドなどの洋野菜と、教室でスモークをかけたサーモンに、グリーンマスタードとマヨネーズのソースをかけて。おとなっぽい味わいが子どもたちを魅了しました。

左:隈元シェフ。うまみをトマトウォーター2種で感じさせ、最後の試食は5味を盛り込んだ琥珀糖。
右:宮本シェフ。ジビエをモチーフに、自然環境と食を講義。試食品にもジビエのテリーヌを持参し、未来ある食材として、子どもにもジビエを紹介した。

島田進、島田徹(パティシエ・シマ)各氏@千代田区立富士見小学校

お菓子には欠かせない食材である砂糖にフォーカス。サトウダイコン(テンサイ)を持参し、砂糖の種類や製造工程を説明しました。もうひとつのテーマ食材はチョコレート。カカオポッドを見せながら、どの部分がチョコレートになるのかを解説。子どもたちは、遠い国から運ばれてくる原材料を知り、日ごろ口にしているチョコレートにかけられている大変な手間と時間、そして手に入るまでのルートを学びました。

授業には千代田区長、教育長の視察をいただきました。

米澤文雄氏(NOCODE)@台東区立金竜小学校

日本とアメリカをはじめとするさまざまな国での仕事を踏まえてグローバルに“味”を解説した米澤シェフ。うまみの食材は”トマトのコンソメ“。
見慣れたトマトから抽出される自然のエキスとその力強い味わいに、子どもたちも再発見の表情。

農水省の視察をいただきました。

杉本雄氏(帝国ホテル東京)@中央区立泰明小学校

自然環境と食を授業に織り込む杉本シェフ。海に囲まれた日本として、水産物にフォーカスしました。天然と養殖魚のあるべきバランスなど、海の生き物を存続させることの意味を、子どもたちに気づかせました。

授業前に、鯛のだし2種を温めて準備。塩ありとなしをブラインドで試飲させました。子どもたちの口からは、その風味の違いが次々に語られました。

教室には天然と養殖、それぞれの鯛が運び込まれ、子どもたちは間近で観察してその違いを発見。
体の大きさや鱗の色合い、ヒレの形状の違いが、魚の棲む環境によるものであることを知りました。

阿部兼二(ビストロコンフル)@世田谷区立中里小学校

味にはどんなものがあるか、味をどこで感じるか。シェフの説明と子どもたちの意見が、交互に飛び交う活発な授業。試食品はキクイモのチップス。

山下春幸氏(HAL YAMASHITA)@港区立麻布小学校

和食の料理人として、だしの話を盛り込んだ山下シェフ。子どもたちは同じように見える塩と砂糖の、粒の大きさや湿り気の違いなどを確かめ、ひとつずつの食品を集中して味わいました。

最後は温かいぜんざいを試食。たったひとつまみの塩を加えるだけで、甘さや味わいの深さが変わることに子どもたちはびっくり。

岩田光弘(レストランメイ)、黒木琢磨(レ・カカオ)各氏@品川区立芳水小学校

岩田シェフの試食品は生チョコレート、オレンジのコンフィチュール風味。オレンジの苦味と甘さの出会いを体験しました。

チョコレートのエキスパート、黒木シェフの試食品は、ゆず、塩、ハチミツ3種のボンボン・ショコラ。カカオとそれぞれの風味の組み合わせの違いに出会いました。

太田高広(ホテルニューオータニ)、三井田敦弘(ヨックモック)、ドミニク・コルビ、中冨貴弘(聖橋亭)各氏@新宿区立四谷小学校

4人のシェフが同時に4クラスで実施した四谷小。シェフそれぞれの情熱と個性あふれる授業に、各教室からは楽しそうな子どもたちの声が絶えませんでした。

パティシエの三井田シェフは、アレルギーの子も全員クリアする材料でつくったクッキーを持参。皆でともに味わう楽しさもプレゼント。

中冨シェフのクラスでは、古代米のぜんざいを試食。人類と食べ物の起源、米の歴史などにおよぶ多彩な話で、あっという間の45分間。

境智子(エコール・ヴァローナ東京)、堀江純一郎(イ・ルンガ)、マシュー・クラブ(TWO ROOMS)各氏@大田区立田園調布小学校

チョコレートに含まれるさまざまな香りの要素をモチーフに授業を進める境シェフ。子どもたちはそれぞれの素材を実際に嗅いで感じ、ミルクからダークまでのチョコレートの成分の違いなども知りました。

・塩(しょっぱい)/・レモン(すっぱい)/・コーヒー豆(苦い)/・ざらめ(甘い)/・昆布パウダー(うまみ)の5味に加え、胡椒(からい)をひとつずつサブレに仕立てた堀江シェフ。

クラブシェフの授業では、シャークベイソルト、ゆず、ダークチョコレート・菊花・ドライケッパーを5味のそれぞれとして味見したあと、それらが一体化した小さなチョコレートタルトを試食。

太田高広(ホテルニューオータニ)、堀口美恵子(大妻女子短期大学)、柳原尚之(近茶流「柳原料理教室」)各氏@千代田区立麹町小学校

味わうために不可欠な味蕾の話をする太田シェフ。ヒトや家畜、また爬虫類などの味蕾の数を当てるクイズに、教室は盛り上がりました。最後の味見食品はカヌレ。バニラがぜいたくに香る本物のフランス菓子を堪能しました。

海苔を授業のテーマとした堀口教授。「さっくり」と「しっかり」異なる2種の海苔の原材料や作り方を解説、それぞれに向く料理なども説明しました。子どもたちは比べて味わい、その特徴をワークシートに記入。他に、和食のしつらえにも触れ、アフターワークとして海苔クイズも配られるなど充実の授業でした。

子どもたちの日常にポピュラーなファストフードやスナック菓子なども例に挙げながら、自発的な発言を引き出し、味について説明する柳原氏。日常の食に興味を持つこと、自主的に味わおうとする姿勢の大切さを説きました。
うまみの説明では、数メートルの羅臼昆布を披露。

藤野真紀子(料理研究家)、薬師神陸(unis)、後藤裕一(Equal)各氏@聖心女子学院初等科

2コマを使い、講義と実習両方の授業が行われました。

5味の説明に使われた食材の数々。

授業では5味を希釈水で準備。水のコップを足して6つのコップそれぞれの味を探りました。

実習ではチョコチップクッキーに挑戦。
できたての味を楽しみました。

授業の最後には、「おしゃれポテトサラダ」のレシピが説明され、いざ実習へ。
ジャガイモを丸ごと茹でるところから始まり、チューブで売られている姿しか知らないマヨネーズを手作りしました。“乳化”のための意外な重労働。

薬師神シェフのクラスは、5味のクッキーをブラインドで味見して当てるクイズ形式。

個別の器にできたてのポテトサラダを盛りつけ、色とりどりの茹で野菜や卵など、シェフが準備したトッピングを、各自のセンスでデコレーション。「見た目も味の一部」を実践しました。

後藤シェフの授業では、乳製品にフォーカス。バターの製造プロセスやその過程で出るロス部分、それを再利用して生まれたお菓子のことなど、環境にまつわる話も知りました。

実習はスコーン。全員が等しく実習できるシステムをシェフが準備し、子どもたちは大満足。豊かな香りが広がる教室で試食となりました。

都内でも子どもの数が多く、「味覚の授業」が熱心に行われている江戸川区。今年は11校33クラスで実施されました。

中嶋貞治氏(新宿中嶋)@宇喜田小

八重洲会@西葛西小

片岡龍之介氏(オリエンタルランド)@第六葛西小

山田百香里氏(采輪)@宇喜田小

村瀬美幸氏(日本チーズアートフロマジェ協会)@二之江小

八重洲会@船堀小

塩野大輔氏(四川料理 剣閣)@平井西小

ご協力いただいた八重洲会メンバーの方々:
飯塚喜隆(西武プリンスホテルズワールドワイド新潟・
長野・群馬・総料理長)
市川博史(京王プラザホテル 名誉総料理長)
斉藤哲二(東京會舘 取締役調理本部長)
斉藤雅巳(元綱町三井倶楽部 取締役調理部長)
杉田浩一(椿山荘 洋食調理グループ調理長)
松山昌樹(ロイヤルパークホテル シニアアドバイザー)
森田信夫(東京會舘 シニアアドバイザー)
*敬称略・五十音順

ドミニク・コルビ氏@茨城県古河市立水海小

地元野菜やシジミなど、地元の産物を5味の味見食材に使いながらの授業。子どもたちは地元食材を見直し、フランス人シェフは日本のローカル食材と出会う機会になりました。

神奈川県での実施例。

河原真友子氏(蔵やまと)@篠原西小

齊藤良治氏(野菜レストランさいとう)@菊名小

長澤佑典氏@日吉南小

成瀬優子氏(キッズフードアドベンチャー)@日吉南小

中田ゆりあ氏@西寺尾第二小

奥井奈都美氏(アマンダリーナ)@洋光台第一小

小池智宏氏(富士屋ホテル)@恵明学園小

鈴木麻里氏(樵藤)@森村学園初等部
和食、特にだしについて学ぶ授業。生まれて初めての、かつおぶし削り体験。

福井県での実施例。

吉川正裕氏(L‘aisance)@永平寺町立吉野小
5味の授業の後、地元で獲れる希少な川魚、アラレガコの唐揚げを調理実習しました。天然記念物指定の流域に生息する魚を扱いながら、ひとりひとりの考えや疑問にシェフが応える、少人数の学校ならではの、内容の濃い時間となりました。

吉川正裕氏(L‘aisance)@福井市立東郷小
学校横の養鶏場で採れた卵でマヨネーズをつくり、鶏のハムとともに。デザートにはシェフからのマカロンが提供され、マヨネーズ作りで余った卵白も、無駄なくマカロンの材料に使われていることを知りました。今日をきっかけに食材のことをもっと理解しようと思ったという感想も。

坂下政典氏(Changerer)@永平寺町立上志比小
実習内容は豚の冷製ロースト。永平寺の特産ニンニクを用い、所属する農園のエディブルフラワーを盛り付けて色とりどりの華やかな一品に。
花にも味があり、料理人は、見た目をよくすることと同じ大切な要素として考えていることが伝えられました。

多田竜也氏(天谷調理製菓専門学校)@永平寺町立御陵小
地元で栽培盛んな大豆から作られる豆腐を題材に柿の白和えを実習。いつもと違う豆腐の状態や香り、組み合わせる5味のバランスを整えて、“おいしい”を作り出すおもしろさを発見。

石川県では、金沢市のほか、年始に震災に遭った地域の学校でも授業が行われました。

川本紀男氏(エクティル)@珠洲市立宝立小中

川本紀男氏(エクティル)@かほく市立高松

牧野浩和氏(MAKINONCĪ)@金沢市立小立野小

長野県安曇野市では、おいしい信州ふーどキャンペーン推進委員会との共催で、地元野菜や味噌を使った調理実習を伴いました。

@豊科小
松尾光二郎(ホテルアンビエント安曇野)、忠地拓(豊科ばんどこ)、金井美和(旬彩ダイニングばんび)各氏
@堀金小
吉田信行(割烹よしだ)、中澤秀斗(ラ・パジック)各氏
@穂高北小
北林智紀(食事処 美里)、小田純司(健菜楽食ZEN)、中澤秀斗、
伊藤哲也(ホテルアンビエント安曇野)各氏
他、長野県調理師会松本広域安曇野支部会員 延べ57名の皆様

毎年熱心な取り組みのある愛知、岐阜、三重の東海三県。

写真は大鹿裕司(ホテルプラザ勝川)、鈴木雅彦(エスパシオエンタープライズ)、大脇房夫(全日本司厨士協会)各氏@愛知県東郷町立諸輪小

生徒たちが田植えから手掛けた米がおにぎりに。

東海3県における講師の方々: *五十音順

【愛知】
天野裕明(レストハウスひろ)
伊藤仁(コートロティ)
今井昌人(オズフード)
大鹿裕司(ホテルプラザ勝川)
大高恒夫(キャッスルサービス)
久保池一憲(名古屋ガーデンパレス)
清水勝久(Chez Chouchou)
鈴木雅彦(エスパシオエンタープライズ)
玉井邦弘(名古屋東急ホテル)
冨田大介(パティスリー カルチェ・ラタン)
豊吉宏典(ホテルプラザ勝川)
野杁良成(ホテル名古屋ガーデンパレス)
橋本尚宜(ホテルプラザ勝川)
羽田野久雄(ジェイアール東海ホテルズ)
日比野逸朗(ジェイアール東海ホテルズ)
牧島昭成(ソロピッツァ チェザリ)
松本茂雄(ANAクラウンホテル グランコート名古屋)
溝邊治乃進(ホテルプラザ勝川)各氏

【岐阜】
大脇房夫(全日本司厨士協会)
岡田修(日本料理 おか田)
河村明成(神明山荘)
田中剛(岐阜県調理師連合会)
玉腰正人(タスパdeシャングリラ)
丹羽孝文(日本料理 いこい)

各氏

【三重】
加藤一秀(あいネットサービス)
近藤篤史(亀の井 鳥羽)

各氏

広島県、島根県

上田まり子(FOOD MARICO)氏@出雲市立遙堪小

アウン・ゾー(ヒルトン広島)、蔵光慎司(ホテルグランヴィア広島)@広島市立観音小

上田まり子、勝部賢一(なにわ一水)各氏@奥出雲町立阿井小

野津卓也(なにわ一水)、小西達也(オマッジオ ダ コニシ)各氏@松江市立中央小

宮崎県では教育委員会とも連携し、計65校で41名の講師が参加し、実施されました。

八田淳(Bistro マルハチ)@宮崎市立高岡小

坂東淳子(IKUMI)、
上村敬子(Hong Kong Cafe Cohk)各氏@綾町立綾小

松本富郎氏(リューヌ・ドゥ・プランタン)
@宮崎市立生目台東小

塚本安佐子氏(レディヘベ)@日向市立財光寺南小

宮崎市立那珂小での授業のひとこま

中村優太氏
(宮崎市市郡医師会病院)@宮崎市立大淀小

坂元基雄氏(ジャパンキャビア)@宮崎市立那珂小

杉松泰子(IKUMI)、川野孝太(中国料理 川)各氏@宮崎市立宮崎東小

沖縄県では16校で授業が行われました。

沖縄県の産物を使った5味の授のあとは、シェフ持参の肉と野菜のブイヨン煮の作り方が伝授。さまざまな味や香りが一体となって料理ができることを学びました。

川平恭平氏(KYOKAWA)@宜野湾市長田小、宜野湾市立宜野湾小
島袋司氏(フレンチレストラン ラトリエ)@うるま市立宮森小、うるま市立川崎小、
沖縄市立島袋小、沖縄市立比屋根小、那覇市立那覇小
新屋健一氏(プチット リュ)@読谷村立古堅小、那覇市立与儀小
多嘉山勇也氏(ワールド グルメバイキング アレッタ)@那覇市立那覇小
玉那覇彰氏(クッチーナ イタリア―ナ タマナハ)@糸満市立兼城小
前川守晃氏(ノボテル沖縄那覇)@名護市立真喜屋小、那覇市立松川小

*五十音順

「味覚の授業」® 参加校一覧

2024年「味覚の授業」® 参加校一覧はこちら(PDF)

「味覚のアトリエ」

学校やパートナー企業のご要望に応えて会期中にさまざまなイベントを実施します。
幅広い年齢層の参加者に食の体験を提供する機会です。

2024年7月1日(月)@松江栄養調理製菓専門学校
対談『日本人初の快挙~フランス最優秀職人章(M.O.F.)受章への道』および
特別デモンストレーション

10:00~11:00 対談「日本人初の快挙~フランス最優秀職人章(M.O.F.)受章への道」
関谷健一朗氏(フランス国家最優秀職人章 (M.O.F)料理人)
瀬古篤子(「味覚の一週間」®実行委員長)
13:00~13:40 2024年度「味覚の一週間」®について ~本部および島根県支部より~
瀬古篤子、上田まり子(「味覚の一週間」®島根県支部長)
13:20~13:40 質疑応答
14:00~16:00 「味覚のアトリエ」 関谷健一朗氏によるキッチンライブ

参加者:同校生徒40名、一般48名およびメディア関係者

【主催】 「味覚の一週間」®実行委員会、同島根県支部 / 【協力】松江栄養調理製菓専門学校

日本人で初めて料理人として、フランス最優秀職人章 (M.O.F)を受章した関谷健一朗氏(ガストロノミー ジョエル・ロブション エグゼクティブシェフ)を招き、同校生徒へのアトリエが開かれました。
前半は「味覚の一週間」実行委員長の瀬古が、関谷氏へ栄冠への道のりをインタビュー。料理人をめざす生徒たちにとってM.O.F.というものについての正確な知識を得る貴重な機会にもなりました。生徒たちはリアルな現場の状況や試験までの経緯や内容、他国の選手たちの話など、世界を見据えた料理人による他所では聞けない内容に聞き入りました。
後半は「味覚の授業」が盛んに行われている同県のメディア関係者も招き、瀬古事務局長と上田島根県支部長から、2024年度の「味覚の一週間」および「味覚の授業」の展望を発表。最後は生徒期待の、関谷シェフによるデモンストレーション。山陰地方の食材を駆使したフランス料理を通して、超一流シェフから未来のシェフたちへのメッセージが渡りました。

デモンストレーション:<山陰の味をフランス料理に>

豚フィレ肉のロティ イベリコ豚のチョリソのクーリと香り豊かなコンディモンを添えて
‣‣フォーカス食材:大山豚(鳥取県)、柚子胡椒(島根県益田市美都町)

2024年10月11日(土)・12日(日)@ロワゾー・ドゥ・フランス 
特別「味覚の授業」

講 師 : ブランシュ・ロワゾー(ロワゾー・ドゥ・フランス シェフ)
参加者 : 東京日仏学院・フランス語子どもクラス在籍中の生徒 計20名
参加費 : 無料

【主催】東京日仏学院 /【共催】 「味覚の一週間」 ®実行委員会 /【協力】ロワゾー・ドゥ・フランス

フランス「味覚の一週間」の活動に熱心に取り組んでいた、料理界の巨匠、故・ベルナール・ロワゾー氏の次女で料理人のブランシュ・ロワゾー氏による、日本在住の子どもたちへの特別「味覚の授業」。東京日仏学院内にあるレストラン「ロワゾー・ドゥ・フランス」のキッチンに子どもたちを招いての授業となりました。
5味のそれぞれを、「トマトのサブレとソーセージ」「パッションフルーツの果汁」「ダークチョコレート」「メレンゲ」「鶏のだし」で自由に味見。どんな順番で食べるか、組み合わせるとどうなるか、など興味のままに自由なテイスティングが行われ、子どもたちによる自主的な発見を引き出す、フランス式の授業がくり広げられました。

2024年10月18日(金)@服部栄養専門学校 
公開対談 『考えて、食べる』

講 師 : 柳原尚之氏(近茶流宗家)、和田明日香氏(料理家)
参加者 : 一般募集45名
参加費 : 無料

【主催】「味覚の一週間」®実行委員会 / 【共催】東京ガス株式会社 / 【協力】服部栄養専門学校

さまざまなメディアで大人気の料理家で食育インストラクターでもある和田明日香氏を招き、「味覚の一週間」呼びかけ人のひとりである柳原尚之氏との対談を行いました。子育てと日本料理の伝承という、日々それぞれに「味」を伝える立場にある二人が、日常にある食育、そして未来への食について語りました。後半は参加者からの質問に答え、それぞれの幼少期の食の思い出なども披露されました

2024年11月8日(金)@東大駒場ファカルティハウス
講演とデモンストレーション 『自然を食べる』

講 師 : 下田屋毅氏(一般社団法人サステイナブル・レストラン協会 代表理事)
寺井則彦氏(パティスリー エーグルドゥース オーナーシェフ|MOMAJ副会長)
参加者 : 東大学生および東大駒場友の会会員 計50名
参加費 : <学生>1,000円 / <友の会会員>4,000円

【主催】東大駒場友の会 / 【共催】「味覚の一週間」®実行委員会
【協力】フランス農事功労章協会 (MOMAJ)

2024年度の「味覚の一週間」のテーマ「食の安全~トレーサビリティ」に因み、英国に本部のあるFOOD MADE GOODの日本支部代表である下田屋氏より、レストラン業界におけるサステナビリティへの取り組みと問題が語られました。続いて、フランス菓子本来の複雑な組み立てに反し、素材の由来を重視して、和栗の持ち味を最大限に生かしたモンブランのデモが寺井シェフによって行われました。その後、シェフにより持ち込まれた6種のケーキの試食となり、参加者は環境に配慮されて作られたたコーヒーや紅茶とともに味わいました。

フランス人シェフが伝えるフランスの味と食文化①
2024年10月26日(土)@滋賀県高島市「たいさんじ風花の丘」
料理デモンストレーション 『風土を生かした家庭料理を学ぶ』

講 師 : アントニー・バックル氏(ラパルテ京都 オーナーシェフ)
参加者 : 近隣在住の21名(うち小学生10名)
参加費 : 無料 *当初有料の予定より変更

【主催】 「味覚の一週間」 ®実行委員会 / 【助成】笹川日仏財団
【協力】大吉商店株式会社、株式会社ヤサカ、企業組合ビュースパイア、みのり農園株式会社、中沢乳業株式会社

京都在住のフランス人シェフ、バックル氏が、滋賀県高島市周辺の食材を使ってフランス料理をレクチャー。
“フランスの農園” と呼ばれる、野菜の生産が盛んなロワール地方出身のシェフが、滋賀の地元野菜や牛肉を使って家庭でできるフランス料理を教えました。作り方だけでなく、素材の話などもまじえての授業のあと、参加者は「ブッフ・ブルギニョン」「ジャガイモのピュレ」「タルト・タタン」と、アットホームでありながら本格的なフランスの味を堪能しました。

フランス人シェフが伝えるフランスの味と食文化①
2024年11月19日(火)@石川県かほく市立大海小学校
フランス人シェフによる「味覚の授業」とフランスのお話

講 師 : パスカル・ルロワ、ルロワ美砂子両氏(カフェ マダム ルロワ オーナーシェフ)
川本紀男氏(エクティル オーナーシェフ)
参加者 : 同校5~6年生30名

【主催】「味覚の一週間」®実行委員会 / 【助成】笹川日仏財団

金沢でパティスリーを営むルロワ夫妻と、同地のフレンチレストランの川本シェフによるジョイント授業。川本シェフより5味の授業を受けたあと、ルロワ夫妻によるフランスの食やライフスタイルについての話がありました。日本在住でありながら、フランス式の生活様式を楽しむルロワシェフの個性的なエピソードをおもしろく聞く子どもたち。最後は皆でさまざまな味や香り、食感が重ねられたフランスのパティスリーを、授業を復習しながら味わいました。

フランス人シェフが伝えるフランスの味と食文化③
2024年12月2日(月)徳島県徳島市立宮井小学校
2024年12月3日(火)徳島穴吹カレッジ調理師専門学校および高松校(オンライン)
フランス人シェフによる「味覚の授業」と料理デモンストレーション

講 師 : ドミニク・コルビ氏(前フレンチ割烹ドミニク・コルビ シェフ)
参加者 : 12/2 宮井小 3~6年生51名
12/3 穴吹カレッジ オンサイト30名+オンライン24名

【監修】 「味覚の一週間」®実行委員会 / 【助成】笹川日仏財団
【企画】 「味覚の一週間」®四国コーディネイター ボントゥ夢子
【協賛】うずしお食品、リファインホールディングス株式会社、Tea.M ティーム、株式会社秋茸、ルノー徳島、メイファーム株式会社

小学校ではスダチやワカメ、鳴門金時、シイタケなどの徳島県産食材を使った5味を授業を実施。フランス人シェフも評価する地元の食材を、子どもたちが再認識する機会となりました。翌日は、専門学校生を対象に、料理とパティスリーに分かれてのアトリエを開講。「味覚の授業」の後、午前中はパティシエ科、午後は調理科で料理講習を実施。
パティシエ科では同校高松校の生徒たちもオンラインを通して受講し、シェフのアドバイスのもと、ビスキュイやモンブランづくりに取り組みました。調理科では、フランス・ブルターニュから輸入されているワカメを使った一皿を実習、地元の鳴門ワカメに馴染みのある生徒たちは、その特性や違いを知りました。また食品廃棄物を利用した発酵飼料で育てられた鹿肉の料理には、コルビシェフによる本格的なソースの実演も。フランス人講師から直接学べる特別授業は大変貴重な機会となりました。

2025年1月22日(水)@北海道北広島市立緑が丘小学校
特別「味覚の授業」

講 師 : 阿部仁氏(株式会社グリーンハウス)
参加者 : 同校5年生 24名

【主催】北広島市教育委員会 /【共催】株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
【協力】「味覚の一週間」®実行委員会

北広島市が市内の子どもたちを対象に取り組む食育活動の一環として実施。北広島市のランドマークとなった「エスコンフィールドHOKKAIDO」所属のシェフが、近隣の子どもたちに行う「味覚の授業」となりました。
マンゴーやバルサミコ酢、利尻昆布のだしなどを味見食材に、子どもたちはさまざまな味を発見しました。
授業の最後には、シェフが署名した授業の修了証がひとりひとりに渡されました。

2025年2月27日(木)@がすてなーに ガスの科学館
シンポジウム『環境に優しい食育協議会シンポウジウム~ジビエ食をキーワードに地域活性化等の自治体
課題解決への活用を探る』

講 師 : 田村典江(FEAST代表理事)、遠崎将一(秦野市農業振興課)、
藤木徳彦(一般社団法人 日本ジビエ振興協会代表理事)各氏
参加者 : 自治体学校給食、教育委員会、農業振興各関係者107名

【主催】環境に優しい食育協議会/東京ガス株式会社 食情報センター
【後援】一般社団法人 日本ジビエ振興協会 /【協力】「味覚の一週間」®実行委員会

各地で問題となっている獣害を、地域活性化へ転換させる取り組みとして、専門家や地方自治体関係者による講演とシンポジウム、ジビエ料理の試食が行われました。シンポジウムでは給食の現場や食材提供者に向けてのジビエへの理解を図り、また参加者にとってはその推進方法や課題が明らかとなる充実の時間となりました。
その後、提供されたジビエ料理4種:「鹿肉のミートソースペンネ」「鹿もも肉のから揚げ」「鹿肉のポン酢和え」「鹿骨・猪骨のコンソメ」の試食は、いずれも好評。定員を越える参加者の様子に、関心の高さが見えました。

2025年1月27日(水)@なにわ一水 
特別「味覚の授業」

講 師 : 野津卓也、勝部賢一両氏(なにわ一水)
参加者 : 島根大学教育学部付属義務教育学校 6年生60名および保護者30名

【監修】「味覚の一週間」®島根県支部 / 【共催】「味覚の一週間」 ®実行委員会
【協力】松江宍道湖温泉「なにわ一水」

同校およびPTAからの依頼により、「味覚の授業」を未受講の6年生を対象に、松江市内の高級旅館「なにわ一水」で、児童と保護者を対象に授業を行いました。
授業に続いて、2024年1月に同小学校のしじみ学習で考案したメニューがクッキングライブによって再現され、その他地元食材を使った4品を試食しました。「しじみハンバーグ」 「しじみのクラムチャウダー」 「松江の黒田セリ入り七草がゆ」「干し柿の博多」を通じ、地元食材の豊かさと新たな魅力が紹介されました。

2025年2月24日(月)@ホテルグランヴィア広島 
アレルギー対応ブッフェ

講 師 : 蔵光慎司(ホテルグランヴィア広島 総料理長)、上田まり子(FOOD MARICO代表)各氏
参加者 : アレルギーを持つ子どもおよび保護者51名

【監修】「味覚の一週間」®実行委員会 / 【共催】 FOOD MARICO / 【協力】ホテルグランヴィア広島

食物アレルギーを持つ子どもが自由に料理やデザートを堪能できる会を開催しました。子どものアレルギー食を専門とする上田まり子氏考案のレシピを、同ホテルの蔵光総料理長率いるチームが実現。普段食べることに消極的になりがちな子どもたちや、食事の管理に苦労する保護者にとって、自由に味わえる楽しいひとときとなりました。

2025年3月4日(火)@セルリアンタワー 東急ホテル 
福田総料理長による食育授業 修了式

講 師 : 福田順彦氏(セルリアンタワー 東急ホテル 総料理長)
参加者 : 東京都市大学附属小学校 4年生 80名および保護者

【主催】東京都市大学附属小学校 /【共催】 セルリアンタワー 東急ホテル
【協力】「味覚の一週間」®実行委員会

同校で年間を通じて行っている食育カリキュラム。その修了式が行われ、講師の福田シェフよりひとりひとりにサイン入りの「味覚の一週間」トック帽と修了証書の贈呈がありました。「味覚の一週間」の取り組みを紹介するパンフレットも配布され、フランス生まれの食育活動として日本で15年目を迎えることも伝えられました。